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<相続財産の評価方法>
相続財産の評価は時価によると相続税法で定められています。しかし、被相続人の死亡時と、10ヵ月後の相続税の納付期限との間に、時価が変わってしまうこともあるかもしれません。
そこで、時価を評価する日を相続開始日と定めています。
また、遺産分割については期限がありませんので、実際の遺産分割は相続開始時からかなりの時間が経過することもあります。そのため遺産分割については、遺産分割時点での時価ということになっています。
○相続税計算における主な評価方法○
◆土地
□市街地の宅地
路線価方式:路線価を調整した価格×地積
□路線価のない宅地(郊外・農村部)
倍率方式:固定資産税評価額×評価倍率
□農地
農地は所在地などにより4つの区分に分類されています。その区分によって評価方法が異なります。
・純農地:倍率方式
・中間農地:倍率方式
・市街地周辺農地:宅地比準方式
宅地批准方式とは、その農地を宅地とみなした場合の価格から、その農地を宅地に転用する場合にかかる費用を引いて評価する方法です。
・市街地農地:評価額の80%相当額で評価
評価する農地が以上のどれにあたるかは、税務署で調べることになります。
□山林
山林の評価方法は農地と似ており、所在地に応じて3つに区分して評価します。
・純山林:倍率方式
・中間山林:倍率方式
・市街地山林:宅地比準方式又は倍率方式
□借地権
借りた土地に家屋を建てて居住し、使用できる権利を借地権といいます。この借地権も相続の対象となります。
借地権の評価額=宅地の通常の評価額×借地権割合
借地権割合は国税局により定められており、路線価図の地域区分によって決まります。
□貸宅地
貸宅地は土地所有者であっても、借地権や地上権のために自由に処分することができません。その分評価額は下がります。
貸宅地の評価額=宅地の通常の評価額×(1-借地権割合)
□貸家建付地
貸家建付地は自分の所有する土地にアパートなどを建て、その建物を他人に賃貸している土地です。この場合、相続が発生しても借家人にすぐに出て行ってもらうことはできませんので、通常の評価額より低くなります。
貸家建付地=宅地の通常の評価額×(1-借地権割合×借家権割合)
◆建物
□自用家屋:固定資産税評価額
□貸家:家屋の固定資産税評価額×(1-借家権割合)
□借家権:家屋の固定資産税評価額×借家権割合
借家権とは家屋・建物を借りている人の権利のことです。
◆預貯金
□普通預金:相続開始日の残高
□定期預金:相続開始時の残高+相続開始時に解約した場合の利子額
◆株式
□上場株式
次の4つの価格のうち、最も低い価格で評価されます。
①相続開始日の終値
②相続開始日を含むその月の終値の月平均額
③相続開始日の前月の終値の月平均額
④相続開始日の前々月の月平均額
◆生命保険
□生命保険金の評価
死亡保険金額 - (500万円×法定相続人の数)
□生命保険契約に関する権利の評価
(被相続人が契約者で、相続人等を被保険者とした生命保険契約)
(払込保険料の合計額かける70/100)-(保険金額×2/100)
◆死亡退職金
死亡退職金額 - (500万円×法定相続人の数)
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